線形時不変システムの固有関数としてのexp(jωt)

なぜフーリエ解析は有用なのでしょうか?
(えっ有用なの?と思った人は交流回路とかコイルのインピーダンスjωLとかを思い出してください)
様々な答え方があるかと思いますが、一つの答えは「exp(jωt)が線形時不変システムの固有関数だから」というものだと思います。

線形時不変システムとは、入力x(t)に対し出力y(t)が決まるシステムL[x(t)]=y(t)に対し、
・線形性(入力がx_aとx_bの和になってると、出力はそれぞれの出力y_a,y_bの和となる性質)
・時不変性(入力が時間t'だけずれると出力も時間t'だけずれる)
を満たすもののことです。
このようなシステムは世の中にたくさんあります。
R,L,Cからなる交流回路網もその一つです。

exp(jωt)がLの固有関数である、ということを式で表すと
L[exp(jωt)]=Z(ω)exp(jωt)
となります。

その視点でフーリエ逆変換式を眺めてみます。
f(t)=∫dω F(ω)exp(jωt)
これは関数f(t)を直交完全系{exp(jωt)}によって展開したものであると同時に、線形時不変システムLの固有関数による展開でもあります。
一般のベクトルを行列の固有ベクトルの線形結合で表すのと似たようなことです。

なぜ固有関数展開をすると良いのか?というのは次の式変形を見れば分かることでしょう。(投げやり)
y(t)=L[x(t)]
=L[∫dω X(ω)exp(jωt)] (Lの固有関数展開)
=∫dωX(ω)L[exp(jωt)] (∵ Lの線形性)
=∫dω X(ω)Z(ω)exp(jωt)
よって、Y(ω)=Z(ω)X(ω)

時間微分d/dtも時間積分∫dt も線形時不変であるので、RLC回路は線形時不変なシステムです。
それ以外にも、例えばポアソン方程式ΔV(r)=-ρ(r)/ε_0も、入力が電荷密度ρ(r),出力が電位V(r)の線形「空間不変」システム(ここでの「空間不変」の部分は造語ですが、察してください)です。
ポアソン方程式からクーロンの法則を導出するときにフーリエ変換したり逆変換したりしますが、それはexp(ik・r)がポアソン方程式の固有関数となっているからうまくいくのです。

スマホから長文を書いたので、読みにくい文章だったかもしれません。
ここまで読んだ方、お疲れ様です。(そんな人いるのか?)